「耳鳴りを治すのに、はじめに音を小さくしようとするのは間違いです。
まず最初にしなければならないのは、耳鳴りを楽にすることです。」
耳鳴りを治すときに患者さんにこのように話すことがあるのですが、言われた患者さんはたいていきょとんとされて、こう尋ね返します。
「えっ?どうしてですか?」
当たり前の反応です。
「耳鳴りを治すには、耳鳴りの音をなくしていく以外に方法はない」というのが常識ですから。
しかし、この点に耳鳴りの最大のカン違いがひそんでいるのです。
そして、このカン違いのために耳鳴りを治すのが難しくなっています。
耳鳴りと骨折の共通点
このカン違いを理解していただくために、ひとつたとえ話をしましょう。
骨折です。
じつは、耳鳴りと骨折は似ています。
どこが似ているかというと、治し方です。
骨折を治す際は、その強烈な痛みをやわらげるために、まずは痛み止めを処方されます。
そうして痛みを止めてから手術をし、骨をくっつけます。
これが普通の治療法です。
「いやいや、この痛みは骨が折れているのが原因だから、まずは骨をつなぐ手術をしましょう。骨がくっつけば痛みはなくなりますから」
などと言うお医者さんはまずいませんね。
楽になるのが最優先
耳鳴りも同じです。
耳鳴りが辛いのならば、一番最初にその「辛さ」をやわらげるべきです。
辛さを止めたら楽になりますので、それから耳鳴りの音を小さくすれば良いのです。
これが、耳鳴りの正しい治し方です。
当たり前と言えば、とても当たり前ですよね。
患者さんにとって一番切実なのは、痛みや辛さといった苦痛です。
まずはこの苦痛を止めるのが、最優先であるはずです。
ここをカン違いして、いきなり原因を解決しようというのは、少々手順を飛ばしすぎです。
正しい順番で治療しなければ、治るものも治りません。
「耳鳴りの治療が難しい」と言われる原因のひとつに、このカン違いがあると思います。
耳鳴りを治す正しい順番
耳鳴りを治す正しい順番は以下の通りです。
2、音を小さくする
この順番で治療していくのが、一番の近道です。
実際に、私の妻もひどい耳鳴りに苦しんでいましたが、辛さをやわらげたら楽になりましたので、そこからどんどん快方に向かっていきました。
もちろん、今では耳鳴りは全く鳴っていません。