不安感・不眠には「自律訓練法」

【自律訓練法とは】

これは、自己暗示を使って体の緊張をほどく方法です。段階的にリラックスを深めていき、心と体をゆるめていくセルフヒーリングのような練習です。1932年にドイツの精神科医シュルツ博士が体系化し、今でも多くの心療内科で用いられている、安全で効果的な方法です。自律神経を整え、ストレスや疲れをやわらげる効果があるので、不眠や不安感、そして「耳鳴りが気になって眠れない」といった方にぴったりです。

【こんな方におすすめです】

・緊張が抜けにくい、いつも力が入っている

・耳鳴りが気になって、リラックスできない

・不眠や寝つきの悪さ、途中覚醒がある

・精神的に落ち着かない

・自律神経を整えるセルフケアが欲しい

【目的】

・不安感や緊張をやわらげる

・睡眠の質を深める

・耳鳴りの辛さをやわらげていく

【改善の流れ】

自律訓練法で自律神経の緊張を緩める

 ↓

睡眠の質が向上

  ↓

気力・体力が回復

  ↓

不安感が減少

  ↓

耳鳴りの辛さが軽くなる

【自律訓練法のやり方】

ステップ1:場所と姿勢を整える

静かな場所を選びます。落ち着ける部屋、車の中、ベッドなど。スマホやテレビはオフにして、静かな時間をつくりましょう。姿勢は次の3つから選びます。

・仰向けに寝る:手のひらは上向きにして体の横へ。脚は肩幅に軽く開く

・椅子にもたれて座る:背筋を預け、足の裏をしっかり床につける。手は太ももの上に軽く置く

・ソファにもたれて座る:リラックスできるなら、少し眠くなっても構いません

ステップ2:深い呼吸を3回

まずは準備運動です。暗示を聞かせるために、意識を深くしましょう。息を吐くたびに、しぜんと体の力が抜けていきます。

・心地良い呼吸をする

・強い呼吸は緊張を強くしてしまいます。「心地良い」と感じるように、ゆったりと息を吐きましょう

ステップ3:公式をゆっくり心の中で唱える

ここからは「暗示文(公式)」を心の中で3回ずつ、ゆっくりと唱えます(声に出してもOK)。唱え終わったら、しばらく体の感覚を味わいましょう。全体で3~5分ぐらいです。上達すると、30分くらいあっという間に過ぎてしまいます。

1. 「心が落ち着いている」を3回唱える

ざわついていた心が、しだいに穏やかになるのを感じましょう

2. 「心臓が静かに打っている」を3回唱える

トクントクンと穏やかなリズムを感じてください

3. 「呼吸が楽にできている」を3回唱える

ゆったりとした呼吸を感じましょう

4. 「手足が重い」を3回唱える

力が本当に抜けてくると、不思議と重くなっていきます

5. 「手足が温かい」を3回唱える

リラックスが深まると、手のひらや足の裏が温かくなっていきます

6. 「お腹が温かい」を3回唱える

手足が温かくなると、下腹部も温かくなります

7. 「額が涼しい」を3回唱える

頭がスーッと爽やかに軽くなります

※慣れないうちは1~3だけでもOK。ゆっくりと感覚を深めていきましょう。

ステップ3:終わるときの消去動作

自律訓練法のあと、意識がぼんやりすることがあります。以下の動作で、ゆっくり現実に戻りましょう。

・両手をギュッと握って開く(2~3回)

・肩をすくめてストンと落とす

・首を軽く回す

・ゆっくり目を開けて、周囲を見渡す

ポイント

・初めから感覚を「感じよう」としなくて大丈夫

繰り返すことで、少しずつ感覚が育っていきます。根気強く続けてください

・毎日3〜5分からでもOK

朝や寝る前に行うと、自然に習慣化されます。初めは1日1回、慣れたら朝・夜2回に増やしたり、1回の時間を30分程度に長くするのもおすすめです

・雑念は出てくるもの

どんな人でも雑念は沸きます。大切なのは、スルーすること。執着せず、右から左へ流しましょう

・リラックスできればどんな姿勢でもOK

机に突っ伏した格好でも自律訓練法はできます。ただし、危険な場所では行わないでください

・運転中は厳禁

車の運転中など、危険が及ぶ状況では行わないでください

・耳鳴りが辛くなり始めたらすぐやる

耳鳴り悪化の原因の多くは、自律神経の過緊張です。早くやるほど、鎮静化させやすいです。緊張が強くなりすぎてしまうと、緩めるのが大変になってしまいます。初期消火がコツです。