脳を前向きに方向づける「脳回復ログ」

耳鳴りが常に鳴っている辛い状況の中でも、少しずつポジティブな出来事を見つけ、それをひとつずつ積み上げていくセルフケアです。前向きな意識を育て、脳の神経回路そのものを書き換えていきます。

脳の回路を作り変える「神経可塑性(しんけいかそせい)」

脳には、繰り返し使われる回路を強化し、逆に使われない回路を消していく「神経可塑性」という性質があります。

耳鳴りに悩まされているあなたの脳は、「耳鳴りの音が辛い」という回路が、すでに開通してしまっている状態です。1日に何度も「耳鳴りが辛い」と思うことで、その回路はますます太くなり、耳鳴りの辛さが強化されてしまいます。

脳回復ログでプラスの出来事を記録することは、それとは別に新しい回路を作ることです。「耳鳴りは辛くない」としたいところですが、嘘では新しい回路は作られません。コツは、事実は認めたうえで、プラスを付け加えることです。

たとえばこんな感じです。

「耳鳴りがしてたけど、仕事に行った」

「耳鳴りが辛かったけど、育児と家事をがんばった」

「耳鳴りでまいっていたけど、好きなお菓子を食べることができた」

「耳鳴りが大きかったけど、セルフケアをひとつやった」

「気分が落ち込んでいたので、布団の中で体を休めることができた」

なんでもいいのです。「耳鳴りに耐えて、生きている」あなたは偉いです。

最初は、「ログなんてつけてなんになるんだろう?」「プラスなことを書いたって、耳鳴りはちっとも良くならない」と思うでしょう。でも、この新しい回路を少しずつ太くしていくことで、「耳鳴りは辛い」回路はだんだん細くなっていきます。

もちろん、この脳回復ログだけではなく、自分の耳鳴りタイプに合ったセルフケアも続けてください。そうすれば、少しずつ変わっていきます。もし難しい場合は、遠慮なく私に相談してください。一緒に乗り越えていきましょう。

やり方

・ノート、手帳、スマホなどを用意し、日記のように毎日つけます。

・気づいた時に、メモするのがおすすめです。

・1日1つ書ければOKです。

コツと効果

・現状を認めた上で、自分をほめる

「耳鳴りがあるけど、〇〇した」という書き方で、脳に新しい回路が作られます。この「少しだけポジティブな回路」をたくさん使えば使うほど、「耳鳴りは辛い」回路は細くなっていき、いずれ消えていきます。

・些細なことを積み上げる

自分をほめるのは、本当に些細なことで大丈夫です。「こんなことで自分をほめていいの?」と思うことを積み重ねることで、「少しだけポジティブな回路」は少しずつ太くなっていきます。耳鳴りの人は総じて、「自分のことをほめる」のが苦手です。少しずつ慣らしていきましょう。本当に、「耳鳴りが辛いのに生きている」のは偉いのですから。

・自分をねぎらう

書いた後に読み返し、「よくやった」「頑張ってるね」と自分に声をかけてあげるのもいいです。この反復が、ポジティブな回路を少しずつ太くさせます。

新しい回路を育てましょう

脳の回路を作り変えるのは、一朝一夕にはいきません。 時には、「本当に変わるのかな?」と不安になることもあるでしょう。 でも、大丈夫です。このログに刻まれたひとつひとつの言葉は、あなたが自分自身と向き合い、一歩ずつ前へ進んでいる証拠です。 焦らず、自分のペースで、この新しい回路を育てていきましょう。