自律神経の緊張が緩めば自己回復のスイッチが入り、体の改善が進み始めます。しかし、自律神経を緩めるセルフケアを続けても、なかなか緩まない人も多いです。その場合は、「脳の過緊張」が原因となっている場合があります。脳に溜まっているストレス(トラウマ・抑圧された感情・しがらみなど)が自律神経を固めてしまうのです。
その場合は、脳に蓄積したストレスを解消する必要があります。そのセルフケアが、「脳回復ワーク」です。脳の奥底にまでしみ込んだストレスを、イメージの力を使って解消する方法です。そのうえで、「脳回復ログ」で意識を前向きに方向づけていきます。
脳のノイズを解消し、プラス思考への意識付けをする。これを続けていくことで自律神経は緩んでいき、耳鳴りを改善できる体になっていきます。
やり方:自分に合った方法を選ぶ
このワークは、頭の中の淀みを「外に出す(外部化)」ことが肝心です。以下のうち、自分が一番スムーズにイメージを動かせる方法を選んでください。また、固定するのではなく、その時の気分に応じて使い分けるのもお勧めです。
・ノートに書く・描く:文字で書き出したり、絵を描いたりします。
・スマホのメモアプリ:デジタル派はこちらですね。
・頭の中だけでイメージする:静かに座って、あるいは歩きながら行います。歩きながらの瞑想は古来より伝わる有効な手法です。
脳回復ワークの手順
1.導入の呼吸
脱力深呼吸を1回して、意識を深くします。背筋を軽く伸ばすと、脳がリラックスしながらも集中した状態に入り、意識が深まりやすくなります。
2.イメージの書き出し
ノートに今の自分のイメージを、以下の4つの視点で浮かび上がらせてみてください。文字でも絵を描いてもOKです。リアルな自分ではなく、心の中に自分をイメージする感じです。
・色:今の自分は何色ですか?(例:黒、灰色、暗い色など)
・形:どんな形をしていますか?(例:トゲトゲしている、四角い、形がないなど)
・大きさ:どのくらいのサイズですか?(例:ピンポン玉、自分と同じくらい、巨大など)
・質感:触るとどんな感じがしますか?(例:ベタベタ、ザラザラ、重い、固いなど)
現実にありえないものが出てきてもOKです。イメージできない場合は、躊躇なくパスしてください。考え込んでしまうとイメージが固くなってしまうので、どんどん次に行きましょう。正解や不正解もありません。大事なのは、イメージが動いていくことです。お風呂の中に手を突っ込んで、お湯をかき混ぜるように、頭の中の淀んでいるストレスを動かしていきましょう。
3.気持の良い場所へ置く
自分のイメージが出てきたら、それを気持ちの良い場所に置いてあげましょう。自分が気持ち良いと思う場所をイメージしてください。どこでもOKですが、特に効果的なのは「神々しさを感じる場所」です。神社仏閣・教会・大自然・故郷の風景など、あなたが心から安心し、平穏を感じられる場所を選んでください。
脳回復ワークのセオリーは、イメージ自体を無理に動かそうとするのではなく、気持ちの良い場所に置いて、「イメージ自体が自然に変化するのを待つ」ことです。自分の意思でイメージを強引に変えようとするのは、悪手となります。
イソップ童話の「北風と太陽」の話を思い出してください。力ずくでコートを脱がせようとした北風(強引な介入)ではなく、ただ温かな光を注いだ太陽(環境の提供)によって、旅人は自主的にコートを脱ぎました。これと同じように、イメージを気持ちの良い場所に置いてあげることで、脳の緊張が解け、内側から自然と変化が起きるのを待つのです。
もちろん、イメージがすぐには変化しないこともよくあります。しかし、それは決して失敗ではありません。今はまだ、変化のための準備をしている時間なのです。植物が厳しい冬をじっと耐え忍び、春の訪れとともに一気に芽吹き、花を咲かせるのと同じです。あなたの脳も、気持の良い場所に身を置くことで、着実に変化していきます。
4.意識を深くする呼吸
意識をさらに深くするために、今度は脱力深呼吸を3回行います。うまく呼吸をする必要はありません。気持ち良く息を吐き、体の力が抜ければOKです。
5.瞑想(3分くらい)
瞑想と言っても、難しいことはありません。イメージをなんとなく眺めているだけです。
最初は暗い色やトゲトゲした形だったものが、次第に明るい色や丸い形へ変化し、やがて透明になって消えていくことがあります。これは脳のストレスが浄化されているサインです。最後は透明になって消えてしまうというのが、よくあるパターンとなります(ですが、イメージの世界は自由です。王道のパターンにならない場合もたくさんあります。正解も間違いもない世界なので、気楽に進めてください)。
イメージを凝視したり分析したりする必要はありません。映画でも観ているような感じで眺めていましょう。気持ちよく行うことが大事です。そのまま寝てしまうのもOKです。集中できないときは止めてしまって構いません。
雑念が湧いた時は、気にしないことが大切です。ひとつひとつに執着せず、右から左へ流してしまいましょう。雑念は湧くものです。囚われなければ、問題ありません。
6.終了
終了後は、現実へ意識を戻すために、伸びをしたり、手足を動かしましょう。興味深いイメージが出てくることもありますが、分析する必要はありません。夢に近いものなので、忘れてしまうぐらいが良いです。言語化できないほどの脳の奥の領域を扱うので、何が起きたかよく分からないままで良いのです。
注意点:必ず守ってほしいこと
イメージは「自分自身」を対象にする
耳鳴りの音、不安感、体の痛みなどをイメージ化してはいけません。音が強くなってしまう場合があります。大事なのは、不調の「火元」である自分自身の内面を解消することです。火元から出た「煙」である耳鳴りの音をいじっても、火元が消えなければ、音も消えません。
怖いイメージが出たら中止する
パニックになりそうなイメージが出た場合は、すぐに中止してください。自分自身をイメージし、気持の良い場所に置いてあげるだけなら、そんなことにはなりません。焦らずに、少しずつ進めていきましょう。
脳回復ワークは、イメージを使ってあなたを強引に変える手法ではありません。あなたのイメージを気持の良い場所に置くことで、あなたの本質を少しずつ癒す作業です。怖いことは起きません。安心して取り組んでください。
やりすぎない
脳の深い場所にアプローチするため、疲れてしまう時があります。通常は3日に1回程度で十分です。1日に何度もやるのは厳禁です。「疲れた」「面倒」と感じたら1度お休みし、やる気が起きた時に再開すれば良いです。
脳回復ワークのやめ時
脳の奥のストレスが無くなると、「やりたい」という気持ちが無くなっていきます。それが脳回復ワークのやめ時です。自分の心に素直に従いましょう。
難しい場合は専門家へ
イメージするセルフケアは、人によっては難しく、不安になることもあるでしょう。その場合は無理に一人で頑張らず、専門家である私にご相談ください。
